「股関節」を意識して走ると股関節の動きが悪くなる

ランニングで、効率良く楽に走るためには、体の使い方が大切になってきます。そのためには、脚の筋肉や関節の使い方や意識の方法を学ぶ必要があります。

そのときは、よく「股関節」を使って説明されます。理由は、股関節は脚の付け根についているため、股関節が動けば、それにつながっている脚も自然と前方に出るからです。

股関節周りの筋肉が硬い人は股関節の動きが悪くなり、脚が前方に振り出せなかったり、効率良く脚の筋肉を働かせなかったりします。

そのため、ランニングで脚の使うときに股関節を意識することが大切と言われています。プロ野球の世界でも、スイングスピードを速くしたり、速いボールを投げたりする方法では、みんな股関節の柔軟性や使い方を取り入れています。

このように、股関節が大切なことはわかります。しかし、もしこの言葉を真に受けて股関節を使おうと考えると逆に股関節の動きが悪くなってしまいます。

ここでは、なぜ股関節を意識すると動きが悪くなってしまうのかについての原因と自然に股関節を働かせる方法を解説していきます。以下の動画で股関節の動きが悪くなる理由を詳しく説明します。

股関節を意識すると、股関節周りの筋肉が硬くなる
股関節を意識して走る方法として「膝で脚を出すようにしなさい」「お尻を使って脚を前に出しなさい」と言われます。

股関節周りには太ももの前側についている筋肉(大腿四頭筋:だいたいしとうきん)、おへその下の腸周りにある筋肉(陽腰筋:ちょうようきん)、お尻周りについている筋肉(大臀筋:だいでんきん)の三つとつながっています。この三つの筋肉が動くと股関節も動きます。

膝を動かすと、太ももの前側の筋肉が働きます。また、お尻を意識して動かすと腸周りの筋肉とお尻周りの筋肉が働きます。

このように意識すれば、確かにそこの筋肉だけ動かすことができます。しかし、こういった動かし方は二つのマイナス要素があります。一つは膝とお尻など、一部分を意識すると、その意識した部分が緊張してしまうことです。

体のある部位を動かすとき、脳がその部位を動かすように指令を出します。その指令は神経を介して伝わり、筋肉が反応し、部位が動きます。意識してある部位を動かすことは、脳にその部位の筋肉を使って動かせと指令を出すのと同じことです。

 
つまり、膝を意識して、股関節を動かしていると、ずっと膝に力が入り続けることになります。そうすると、太ももの前側の筋肉に負担がかかります。

>もう一つのマイナス要素は姿勢が変わることです。

膝を前方に出すように意識して動かすと、股関節が動きます。しかし、股関節が動いても、膝を動かすと他の部位の姿勢が崩れてしまいます。膝を意識すると、膝が屈曲気味になるのです。これは膝関節が前後左右あらゆる方向に動かすことができる自由度の高い関節だからです。

膝が曲がると、上半身の体重のかかり方が変わり、腰が反り気味になります。反った姿勢で膝を曲げると、お腹周りの筋肉が張ります。つまり、腸周りの筋肉が硬くなります。

次に腰が反ると、腰回りの筋肉が硬くなります。お尻まわりの筋肉は腰回りの筋肉とつながっているため、腰回りの筋肉が硬くなって縮むと、お尻周りの筋肉が引っ張られ、力んだ状態になってしまいます。

お尻を意識して股関節を動かすと、今度はお尻とつながっている背中の筋肉が引っ張られ、力んだ状態になります。すると、姿勢が変わり、膝関節が自然と曲がります。

つまり、膝やお尻を意識して動かそうとすると股関節につながっているあらゆる筋肉が硬なってしまいます。
 

股関節を意識するあまり、ひどい場合は股関節を怪我してしまう人もいます。股関節周りの動かすには、その部分だけ意識するのはよくないことがわかります。この内容については、動画でさらに詳しく解説されています。

上半身の姿勢を整え、おなかまわりを楽にすると股関節は動く
そのため、股関節を別の意識の仕方で働かせる必要があります。そのためには、背中とおなかの無駄な力みをなくして歩くことが大切です。

まず、背中の筋肉の緊張を解くため、首を真上に伸ばし、両肩を落としてください。そうすると、背中周りの緊張がほぐれます。このほぐれた状態で歩けば、おしりや太ももの前側に負担をかけずに走ることができます。

次にお腹まわりの緊張をとくために、少し押しながら10秒程度ぐるぐるとお腹をさすります。力はあまりいれないようにして、10秒間さすってあげます。慣れてきたら、おなかに無駄な力を入れないように、深い呼吸して、おなかを動かしてあげます。

すると、おなか周りが動かしやすくなります。この状態で歩けば、お腹、膝、お尻、どこにも筋肉の緊張がなくなるため、結果として股関節が自然と動きます。

このように股関節を働かせるには、股関節周りの筋肉が楽に自然と働くように他の部位を動かすようにします。一部分に意識を置くと、その部分をかえって悪くしてしまいます。

首を伸ばし、おなかに無駄な力を入れないように走りましょう。そうすれば、股関節は自然と働き、楽で効率の良い走りを身に着けることができます。

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