運動技術以外にメンタルを重視する意味と姿勢の関係を理解する

スポーツ選手が高い結果を残すためには、技術以外にメンタルについて考えることが重要です。

世界のトップになればなるほど、メンタルによって勝敗が決まります。実力差があっても、そのときの心理状態によって勝負が逆転することがあり得ます。

ここでは、メンタルに関する内容をさらに掘り下げるために、これらの存在意義や構成について解説していきます。
 
 メンタルは目的を達成するために存在する
あなたはメンタルといわれるとどのようなことを思い浮かべるでしょうか。多くの人は「努力」「根性」「気合い」といったことを思い浮かべます

どれも、間違いではありませんが、メンタルを強くするには「根性論」や「精神論」のような抽象的な言葉で片付けてしまう人がほとんどです。

メンタルは物事の勝敗や成否を決める重要なカギですが、その実体はよく知られていません。

ただ、達成したい目標を持っている人はそこで挫折しても、どうすればうまくいくのか考えたり、あきらめたくない気持ちからさらに努力を積み重ねようとしたりします。

そこで、今行っている練習のやり方を工夫して、さらに「努力」したりもっと集中したりして、自分を追い込もうと「根性」や「気合い」によって乗り切ろうとします。

そうして試行錯誤しているうちに、あなたはうまくいかない原因に「メンタル」があると気づき始めます。メンタルは一つの要素で成り立っているわけではありません。複数の要素で成り立っています。

メンタルの要素をうまく活用すれば、物事が良い方向が進みます。その反対に、活用できなければ悪い方向に進んでしまいます。そうした中でいえることは、メンタルは「目標」と深いかかわりを持っていることです。

目標とは今は実現していない希望や願望といったものです。目標があるから人は練習し、うまくいくにはどうすればよいのかを思考します。ここで、初めてメンタルを活用することになります。メンタルは「目標」という目的地に到達するために必要なエンジンといってもよいでしょう。

逆に何も目標がなければ、人は何もする必要がありません。人はやりたいことがなければ、自分を変化させようとなかなか思いません。舟が前にも後ろにも進むことなく、海に漂っている状態と同じです。この場合、強いメンタルは必要とされません。
 
 メンタルを構成する3つの要素
ここで、あなたが過去に経験してきたことを振り返りましょう。あなたは過去に何か目標を達成したことはあるでしょうか。

スポーツ以外に、勉強や発表会など何でもいいです。このときは、小さな目標でも問題ありません。目標を決め、それに向かって努力を積み重ね達成した経験です。そのときに、以下のような気持ちを体験したと思います。

 ・目標や希望があって、それに向かって努力しようと思い、練習した
 ・目標を達成するまでモチベーションを保ち、情熱を燃やした
 ・逆境に対して平常心で向かい合い、心も折れずに立ち向かった
 ・目標にたどりついたときには心が達成感で満たされた

メンタルと聞いて一般的にイメージされる言葉の中に、「努力」「根性」「気合い」といった言葉があります。これらは、メンタルの中の「思考」を表す言葉です。「思考」とは、目標を達成するための考え方や心の持ち方です。

これらの考え方は困難を乗り越えるために必要な推進力のようなものです。身につけることで目標に向かって進むことができます。

この他にも、メンタルを構成するものがあります。それは「感情」と「行動」です。

「感情」とは、「喜び」や「悲しみ」など状況や時によって変わるものです。何かを達成したときの喜びはモチベーションを大きく上げることができ、さらに良い結果を出すことができます。感情は天気のように変わるため、自身でコントロールする必要があります。

「行動」とは、目標達成へ導く方法や工夫の仕方の数々です。人はモチベーションが落ちているときでも、あらゆる方法で少しでも目標に近づけるように工夫することができます。目標を実現するために試してきたことは、「行動」の数を増やすことに繋がります。

これらの3要素(思考、感情、行動)がメンタルを構成するものです。うまく3要素がバランスをとって連携したメンタルは目標に向かって進む「力」となります。そして、困難を乗り越えるための「武器」になります。
 
 3要素を強化するためには姿勢を整える
これらの3要素を強化するために、心理学の世界ではあらゆるトレーニング法があります。感情を落ち着かせる方法や集中力を高める方法など、3要素のバランスを整えるやり方があります。

ただ、これらの方法以外にも、オススメする考え方があります。それは「姿勢」です。

「キレイな姿勢」は、スポーツの世界では運動技術を高めるイメージが強いです。しかし、姿勢や体の使い方はそういうノウハウにとどまりません。人は姿勢や体の使い方を変えると、運動技術だけでなく心構えや考え方も変化します。

例えば、人がもっとも姿勢が崩れやすいのは「首」と「肩」の位置です。多くの人は首の筋肉が縮み、両肩に力みが入った姿勢になっています。この二つの部位に力みが生じたり位置が悪かったりすると、上半身の体重が下半身にうまく乗らなくなります。すると、動きが悪くなってしまったり運動技術が向上しなかったりします。

しかし、それだけではありません。姿勢が変わると「感情」も大きく変わります。体内の内臓器官が適切な位置に収まらなくなると、感情が揺れやすくなったり気持ちが優れなくなったりします。

東洋医学の世界では、首の関節の不正によって胃の血液の流れが悪くなり、イライラしやすく我慢が効かなくなるといわれています。つまり、姿勢を整えることは「目標」をもつのと同じくらい、メンタルに強くかかわっています。

私は、人一倍弓道を通して姿勢の研究をし、稽古で実践してきました。最初はやはり姿勢を変えることで運動技術を向上させることを目的に勉強していました。しかし、普段の生活で学んだ姿勢を活かすようになると、運動技術にとどまることはありませんでした。

どれだけ仕事が遅い日でも、ほとんど毎日弓道の稽古やスポーツの勉強をする精神が身に付きました。仕事が長引いて、帰宅が三時半になってもそこから一時間勉強して、次の日も普通に出勤した日があるほどです。姿勢を変えると、体力やモチベーションなどあらゆる要素がプラスに働くようになります。

メンタルを整えるためには、「思考」「感情」「行動」の3要素をバランスよく鍛えることが大切です。それを強化するための具体的な方法は、根性や精神論といった抽象的なものだけではありません。「姿勢」を整えるという簡単なことに、メンタルの3要素を整える鍵があります。

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