スポーツで怪我しないために、準備運動に「ブラジル体操」を取り入れる

スポーツで怪我しないために、ストレッチや準備運動などで筋肉をほぐすことは大切です。しかし、運動前の筋肉は固く伸びにくい状態にあるので、準備体操で筋肉を伸ばすストレッチをすると、かえって負担をかけてしまいます。

そこで、運動前と運動後のストレッチを分ける必要があります。ここでは、運動前に怪我の予防につながる適切なストレッチ法を紹介していきます。
 
 運動前は動的ストレッチ、運動後は静的ストレッチを行う
一般的なストレッチは「筋肉をじっくりと静かに伸ばす」ようにおこないます。これを「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」と呼びます。これ以外のストレッチとして「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」があります(他にバリスティックストレッチというものもあります)。

動的ストレッチの特徴は静的ストレッチとは対照的に、アクティブな動きをするストレッチです。静的ストレッチは伸ばしたい筋肉にアプローチするのに対して、動的ストレッチは伸ばしたい筋肉と反対側の筋肉he
アプローチします。

例えば、ヒジを曲げて腕の筋肉を伸ばすときです。ヒジを曲げるときは、上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)を呼ばれる力こぶができる方の筋肉が縮んでヒジの関節が曲がります。これに対して、力こぶの裏側の上腕三頭筋肉(じょうわんさんとうきん)が伸びます。

このように、ある筋肉を縮めるときは、同時に反対側の筋肉が自動的に伸びる仕組みになっています。この仕組みを利用するストレッチが動的ストレッチです。

静的ストレッチは伸ばしたい筋肉を直接伸ばします。一方、動的ストレッチは伸ばしたい筋肉の反対側を縮めることで間接的に伸ばします。

このストレッチの利点は伸ばしたい筋肉へ直接アプローチしないことです。静的ストレッチに比べて負担が少ないため、運動前に取り入れると、筋肉を傷つけずにほぐすことができます。

さらに、動的ストレッチには、関節の動きを滑らかにする効果が期待できます。

関節は「関節包」という丈夫な袋ですっぽりとつつまれており、内部は「滑液」という液体で満たされています。滑液は潤滑油のような働きをもっており、これが関節の動きをスムーズに保ってくれます。

動的ストレッチをすると、滑液の分泌が促されるため、関節の動きを滑らかにしてくれます。
 
 動的ストレッチ代表例の「ブラジル体操」を準備運動に取り入れる
動的ストレッチの具体的な動きは「関節の曲げ伸ばしをリズミカルに行う」ことです。そのため、関節の曲げ伸ばしの間に軽いジャンプ動作が入ることが多いです。伸ばしたい筋肉と反対側を縮める動作をすることで、自動的に伸ばしたい筋肉をストレッチするのが狙いです。

その中でもポピュラーなのが「ブラジル体操」です。ここでは、ブラジル体操の代表例を6つ紹介します。これらのステップの繰り返しによって、上半身と下半身の筋肉の柔軟性をトータルに高めることができます。

・フロントスイング&スキップ
ヒザを高く上げてスキップして、両腕を前後に大きく振って前に進みます

・トゥタッチ
片脚を前に振り出して、反対の手でつまさきをタッチしながら前に進みます

・サイドタッチ
足を交互にななめ後ろに蹴り上げ、同じ側の手でタッチしながら前に進みます

・ヒールタッチ
お尻に手を添えて、膝を曲げて左右交互にかかとを手につけながら、前方にステップします

 
・股関節まわし
軽く走りながら、両脚を左右交互につけ根から大きく回します。内回し、外回しを行います

・カリオカ
両脚を交差させながら横向きにステップを刻みます

 静的ストレッチは運動後に行う
運動前のストレッチは動的ストレッチを取り入れた方が適切です。一方、静的ストレッチは運動が終わった後に取り入れるようにしましょう。

その理由は、運動後の筋肉は温まっていますが、疲労によって硬くなっているからです。これを「拘縮(こうしゅく)」といいます。

筋肉が硬縮していると周りの毛細血管が圧迫されてしまい、栄養素を効率よく送ることができません。この非常事態を警告するために痛み物質(ヒスタミンやブラジキニン)を分泌します。静的ストレッチは筋肉の拘縮を取り除き、翌日に疲れを残さないようにすることができます。

ただ、運動後の静的ストレッチで一つだけやってはいけない例外があります。それは、はげしくきつい練習を長時間続けた後です。フルマラソンのように長くてきつい運動の後の筋肉は、想像以上にダメージを受けています。

このような状態でストレッチをすると、運動後の回復が遅くなる原因になります。その場合は、痛みを一時的に軽減させる「アイシング(筋肉を冷やすこと)」を先におこないます。これによって運動直後の筋肉のケアを行い、1~2日おいてからストレッチを行うようにします。

運動前は「動的ストレッチ」を、運動後は「静的ストレッチ」を取り入れるようにしましょう。筋肉の柔軟性を負担なく高めることができるため、怪我の予防につながります。

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