運動時に瞬間的に強い力を繰り出す「フランクフルト平面」を理解する

スポーツで怪我や体の不調の防止のために、姿勢や動きを身につけることは重要です。なぜなら、体の状態は姿勢と直結しているからです。体の各部の位置の少しの違いによって、運動中に引き出される力の量が大きく変わります。

その中でも、頭部の位置は運動動作に大きく影響します。頭部の位置を少し変えると、体の動きが変化することがわかっています。武道の世界では、相手に立つ向かうときに、姿勢から体の動きを変えることを実践で取り入れています。

もし、体の動きや心の状態を変えたいと思うのであれば、頭部に注目し、位置や整え方を理解する必要があります。ここでは、姿勢や動きを変える頭部の位置について解説していきます。
 
 フランクフルト平面のもたらす効果を理解する
人の頭の向きは「カンペル平面」と「フランクフルト平面」と呼ばれる二つの平面に分かれます。カンペル平面とは、顔を正面から見たときに、鼻の穴が耳の穴と一直線に揃った状態です。一方、フランクフルト平面は目線と耳の穴が横一直線に揃った状態です。

この中で「フランクフルト平面」を取ると、動きが変わることがわかっています。具体的にはフランクフルト平面を取ると瞬間的に強い力を生み出すことができます。

大気拳の世界では、腕を大きく振り出さずに、ほとんどノーモーションの状態で相手に強い突きを打つ技があります。このときの突きの威力を出すときに、頭部の位置が重要になります。

通常パンチを出すときは、どこかでタメを作らないと強いパンチを出すことができません。下半身に力を入れたり、腰をひねったりして力をためなければ強い力でパンチ動作を行うことができません。

しかし、フランクフルト平面を取ると、少ない動きで強いパンチを生み出すことができます。少し顎を引いて、目線と耳の穴を一直線にそろえます。これによって、首の後ろの筋肉が伸ばされます。

次に両肩を落とすことで、肩から下の筋肉が締まります。これによって、腰から上の体幹部の筋肉が同時に締り、強固な姿勢を取ることができます。

さらに、アゴを引いて踵よりに重心を乗せると、下半身が不安定になります。これによって、股関節が少しの意識でゆらいで動くようになります。この大勢で少し後ろに一方の股関節引くと、同じ側の肩甲骨が引かれます。

この瞬間にアゴを引くと肩甲骨が瞬間的に前に出され、速いスピードで腕が前に出されます。結果として、パンチの威力が増し、ほぼノーモションで強いパンチを繰り出すことができます。

大気拳の世界では、体の中の筋肉を動かしてためを作らずに相手に強いパンチを出す方法があります。この技は発勁と呼ばれます。具体的には、姿勢を作ってから全身の筋肉を脱力させます。すると、上半身の重みが沈み込みます。この沈みこむ力によって、パンチを繰り出すため、腕や肩の力を使いません。すると、筋力を使うパンチより重くて威力のあるパンチを繰り出すことができます。

フランクフルト平面を取ることで、威力のあるパンチを出すことができます。このノーモーションで強い力を出すことは、他のスポーツでも応用することができます。例えば、空手の世界では、ノーモーションで相手に気配の読まれにくいパンチを出すことができます。

他に卓球の世界では、下半身の力を抜いて上半身を沈み込ませ、瞬間的に腕を振る動作に変えることができます。つまり、地面をけらずに強いボールを打ち返すことができます。

 フランクフルト平面より、強固な姿勢を身につける方法
フランクフルト平面の姿勢を身につけることにより、他に利点が存在します。それは、強固な姿勢を構築し、相手に体当たりをされてもぶれなくなることです。

まず、腰から上の筋肉を最大限に活用して、強固な姿勢を作る準備をします。アゴを引いて、首の後ろをできるだけ伸ばします。次に少しみぞおちを前に引っ張り、胸郭を前に出します。これにより、両肩が後ろに落ち、肩甲骨の下部から背中にかけての筋肉が締まります。

この姿勢から少し腰を折るように前傾姿勢を取りましょう。少ししゃがめばバスケやサッカーでの構えに近くなります。この姿勢を取ると、前後左右から押されても崩れない姿勢が完成します。

合気道の世界で自分より大きな相手に当たり負けしない秘訣は姿勢にあります。上半身の強固な姿勢を取ることで、相手にぶつかっても姿勢が崩れることがありません。これによって、相手を突き飛ばしたり倒したりして次の技を繰り出すことができます。

 日常生活で心を引き締めるには
頭部はフランクフルト平面を取って、少しみぞおちを上げて、両肩を下に落としましょう。このように、フランクフルト平面を取った後に少しみぞおちを上げると、猫背になりにくくなります。この姿勢は呼吸動作に悪い影響が少なく、慣れれば力みなく誰でもとれるようになります。

現代人は、座り・立ち姿勢で猫背が癖づいている人が多いです。猫背姿勢は胸が窮屈になり、呼吸が浅くなります。それによって、体全体の血流が滞り、さらに姿勢や動きが悪くなってしまいます。さらに、体全体の血流が悪くなると、心の状態にも影響を与えます。フランクフルト平面は現代人に背筋を真っ直ぐに癖づける姿勢の取り方と言えます。

体の動きや心の状態を変えたいと思うのであれば、フランクフルト平面の頭部の整え方を理解しましょう。みぞおちを少し上げて肩を落とすことで、強固な姿勢が構築できます。それによって、日常生活では、習慣づいた猫背を解消することができます。

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