両腕を用いたスポーツ動作のしやすい姿勢を自分で見つける方法

あらゆるスポーツにおいて、技術だけでなく、動作する上での姿勢が大切とされています。姿勢を正すことによって、運動中の体の負担が軽減されて怪我や故障が少なくなるからです。あるいはスムーズに体を動かすことができるため、運動技術が向上します。

ただ、この姿勢を理解することはとても困難です。その理由は人の骨格や体型はそれぞれ違い、その人に適した姿勢は変わるからです。そのため、本や知識で書かれている姿勢の正し方を勉強しても、あなたにしっくりこない可能性が高いです。

そこで、弓道の世界では自分で自分の適した姿勢を見つける方法があります。この姿勢をとることでスポーツ動作のしやすい姿勢を自分で見つけることができます。ここでは、自分の適した姿勢を自分で探す方法について解説していきます。

 両腕を使って、自分の最も正しい姿勢を見つける方法
身長や体重によって、その人の適した重心の位置は変わります。そのため、自分で運動動作のしやすい姿勢を身につける必要があります。

そこで、スポーツに有効な姿勢を作るために両腕を使います。適した姿勢を作ると、そうでないときに比べて両腕を使った動きに劇的な違いが現れます。これを実践することで自分のもっとも適した姿勢を体で覚えることができます。

まず、上半身の無駄な力みを取るために、首を伸ばして肩を落としましょう。首の後ろ側の骨をひとつひとつ隙間をつくるように、なるべく頭の位置を垂直に数センチ上げるようにします。

その意識を保ったまま、次に少し目線を上げましょう。目線を上げることで首回りが楽になるのがわかれば問題ありません。なるべく目に力をいれず、周りの景色をぼんやり眺めるようにリラックスします。

そして、この姿勢と意識を保ったまま、両腕を左右ともに力を抜いてだらんと落としましょう。これにより、上半身の体重を腰回りにしっかり乗せることができます。

次に、重心の位置を変えましょう。肩を落とすことで足裏全体に体重がぴたっと乗ります。次に、頭を伸ばしながら、ほんの少し体を前傾させるようにしましょう、すると、土踏まずの少し前方あたりに重心が乗るのがわかります。

この姿勢の状態で、次のように両腕を動かしてみてください。「両腕を前に伸ばす」「両腕を後ろに引く」「左腕を左方向に伸ばす」「右腕を右方向に伸ばす」の四つです。腕を楽に、ぶらぶらさせるイメージで前後左右に動かしてみましょう。

すると、ちょっと腕を動かすと、上半身全体が動かした方向に引かれるように動くのがわかります。腕を前に出すと上半身が自然と前に倒れます。さらに、左右に腕を動かすと腕に引っ張られるように自然と体が左右の方向に動きます。

このように、腕を動かした方向に上半身が動けば、もっとも運動のしやすくかつ安定した姿勢になります。見た目は「ほんの少し前傾」姿勢に見えます。しかし、人の姿勢はほんの少し前傾させた方が、背骨が垂直に保持されるのです。

弓道の世界では、この姿勢を「上から押さえつけられてもくずれない姿勢をとる」と説明します。実際にこの姿勢で両肩を上から思いっきり下に押さえつけられても崩れることはありません。
それだけ、中の骨はしっかり立ち、筋肉が適切に働いています。

 重心の位置を変えると、腕しか動かない姿勢になる
次に、重心の位置を変えます。重心の位置を今度はかかとにおいてみましょう。少し、ふんぞりかえるような気持ちで腰をそり気味に立つと、この姿勢をとりやすくなります。

この姿勢で同様に腕を動かしてみましょう。すると、まったく体が動かなくなります。左右に腕を動かしても体がつられて動く反応が起こりません。

これは、かかとに重心をおくことで、上体の重みが腰の後部に乗りすぎていることによるものです。背骨に負担がかかった姿勢になっているため、胴体の筋肉が固まっています。

その結果、腕を動かしても腕以外の筋肉が働かないため、肘や手首しか意識的に動かせない姿勢になっています。

この姿勢であらゆるスポーツ動作を行うと、上達のスピードが遅くなります。その理由は、効率が悪すぎるからです。腕の筋肉しか動作で使うことができないため、体全体の筋肉を使って動作を行っている人にスピードも体力も負けてしまいます。

ちなみに野球の世界では、ピッチャーが疲れてくると、上体が少し反って胸より上部が抜けた姿勢になることが多いです。その姿勢では、腕を降り出すときの加速度が落ちてしまい、球速が下がってしまいます。

また、フルマラソンの世界では30kmを超えると、目線が下がる人が多いです。目線が下がると、腰の後部も一緒に後ろに落ちるため、自然と重心がかかとに乗りやすい姿勢になります。すると、腕や脚しか動かない姿勢になってしまうため、スピードが落ちてしまいます。

このように、両腕を用いて自分でスポーツに有効な姿勢を確かめることができます。そのために上半身の無用な力を抜いて、重心を土踏まずの少し前方あたりに置きましょう。すると、腕を動かしたら、上半身が同時に働くようになります

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