現代スポーツにない、走るスピードの上げ方

スポーツ経験者であれば、「脚が速くなりたい」と考える人は多くいます。そして、「脚力を高める」「走るスピードを高める」ことは、あらゆるスポーツのパフォーマンス向上につながります。

 

そして、スポーツの世界では、「筋トレを行う」「ひたすらトレーニングを行う」といった手法で脚力を高めることを推奨します。ただ、これらを行ってスピードが上がる方もいれば、上がらない方もいます。中には、無理なトレーニングを続けた結果、怪我をしてしまう人がいます。

 

ただ、武道の身体の使い方や体の仕組みに基づくと、まったく別の方法で脚力や走るスピードを高める手法があるのがご存知でしょうか?これまで、走るスピードが上がらなかった人は、この内容を実践することで、パフォーマンス向上につなげることに可能です。

 

それでは、武道におけるパフォーマンス向上には、何があるでしょうか?ここでは、武道の体の使い方の観点から、スポーツでの脚力を高める手法を解説していきます。
 

速く走るには:頭部の位置を高くする

走るスポーツにおいて、注目されやすいのは「股関節」です。股関節周りの筋肉や動かし方や筋トレ法を学び、実践することで、脚の動かし方が変わります。その結果として、脚力の向上を期待できます。

 

あるいは「肩甲骨」の動かし方や筋肉に注目する場合も多いです。なぜなら、肩甲骨は「腕を振る」動作に直結するものだからです。

 

ただ、武道の世界ではこれらの部位に注目して体を動かすことはあまりしません。むしろ、そういった部位を意識することによって、無駄な力みが出てしまうことがあります。そのため、「頭部」の位置を正すようにします。これによって、走る動作において、スピード向上につながります。

 

理由は後ほど話すとして、まず最初に頭部の位置の正し方をお話します。まず、少しアゴを引いて、鼻さきがへそ部と垂直に交わるようにします。次に、少しアゴを引いたら首の後ろを伸ばすようにしましょう。この状態で首の後ろに手を当てると筋肉が少し張る感じが体感できます。

 

次に走る動作に応用するときは、なるべく「腕」や「脚」に力を入れないようします。垂直に伸ばし続けている「首」を斜め上方に伸ばすようにしましょう。すると、

 

なぜなら、頭部の位置が高くなることで「耳」の位置が高くなるからです。耳には「三半規管」と呼ばれる人の重心の平衡や安定をとるための器官が存在します。そして、耳の位置が高くなることで動作中の「姿勢の安定度」が変わります。

 

人が「歩く」「走る」「立つ」について最優先すべきなのが「頭部の位置」です。その理由は、頭部の位置がずれていると、前後左右に微妙なずれが生じるからです。これによって、「走る」競技においては、スピードの低下を招きます。

 

試しに、「耳の安定度」を確かめる実験をします。まず、二人一組になって両手で相手の両肩をつかみます。このとき、相手の両手をいくら崩そうとしても相手は崩れません。

 

そこで、両肩ではなく、相手の両耳に軽くふれます。そして、相手の頭を軽く持つ感じにして、相手の顔を右にひねるように曲げてあげます。すると、顔だけでなく、両肩、両腰などあらゆる部位が一緒に崩れるのがわかります。

 

同じような現象として、「耳の位置が下がると安定度が下がる」という現象があります。まず、アゴを引いて首の後ろを伸ばして立ちます。そこで、相手に鎖骨あたりを押してあげます。すると、胴体がそこまでブレナイのがわかります。

 

次に、アゴを出した状態で相手に押してもらいます。すると、胴体がブレやすくなるのがわかります。このように、人は耳の位置が少しずれただけで「体全体」の姿勢のブレは大きくなります。そのため、全ての動作でも同様に、動いている最中の「耳の位置」は気にかける部位であるといえます。

 

実際に当セミナーでは、走る競技を主とするスポーツ経験者がたくさんこられています。そうした方にまず最初に教えるのが「首を伸ばして、ただそれだけを続けてください」と伝えます。すると、ランニング中における胴体のブレが軽減され「走りやすくなった」と感想をいただきます。さらに、そこからタイムが向上したとも報告もあります。

 

頭部の位置を高くすると脚が速くなるもう一つの理由

他に、頭部の位置が高くなると、走るスピードが速くなる要因として「蹴る動作が少なくなる」ことが考えられます。

 

陸上の世界では、後半のスピードに走るスピードが軽減しないように、「上体を前に突っ込みすぎないように」という話があります。この理由として、上体が前につっこみすぎると足が地面に速くつきすぎるからです。

 

足が地面に速くつきすぎると、地面を蹴る力が働いてしまいます。すると、前方に進んでいる体に対して「ブレーキ」がかかってしまい、スピードの減速することにつながります。いずれも足が地面に速くつきすぎると上体を前方に送る重心移動がスムーズに行われなくなります。

 

そこで、頭部の位置を高くして走り、さらに、後半になってもアゴを少し引き気味にして首の後ろを伸ばし続けるようにします。すると、足が地面につくのが遅くなります。これによって、走る際の歩幅(ピッチ)が長く稼げるため、速く走れると考えられます。

 

同様の理論が陸上の世界でもいわれています。陸上の世界では、後半になってスピードを「上げようと」とすると、つい上体が前につんのめったり頭部が前に出たりします。すると、足が速くついてしまい「蹴ろう」としてしまいます。この「蹴ろう」という運動が体にブレーキをかけてしまい、遅くなってしまいます。

 

そのため、以下にブレーキをかけずに走るかが大切と考えられます。その際に、股関節や肩甲骨の動きも大切になるでしょう。ただ、最も足と地面の接地面に関わるのは「頭部」の位置です。頭部の位置を通常より高くすることで、胸郭、骨盤の位置が整い、足にブレーキをかけずに、走る動作を継続することができます。

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