反復練習がスポーツ動作に良い影響をもたらす理由

世の中には、スポーツ動作の質を今より高めるためのあらゆる練習方法があります。

 

メンタルを高めるイメージトレーニングや科学的根拠に基づいた体作りなど、あらゆる方面からスポーツに効果をもたらす実践法が存在します。

 

その中の一つとして、「反復トレーニング」があります。ただ、このトレーニングは動作が単調で飽きやすいです。しかし、反復練習は脳の観点から他のトレーニングでは鍛えることのできない能力を成長させられることがわかっています。

 

この能力を鍛えると、スポーツにおける動作のスピードや反射神経が高まります。ここでは、反復練習の持つ長所とそれをスポーツに取り入れるための方法について解説していきます。

 

 「脳」より先に、体で動きを表現する
反復練習は筋肉や骨といった物理的なものではなく、「反応時間」や「条件反射」といった感覚的な能力を鍛えることができます。

 

そのため、人はある動作を反復することで、脳が考えるより先に体が動くようになります。これは、ある脳の実験によって証明されました。

 

実験では、1から4までの数字を「1個ずつ2秒おき」に10回連続して表示し、被験者は1が提示されたら「人差し指」を、2なら「中指」、3なら「薬指」、4なら「小指」でキーを押します。このとき、数字が表示されてからキーを押すまでの時間(これを反応時間と呼びます)の間隔を測定しました。

 

ここで、数字にある仕掛けをいれます。それは「24142314・・・・・・」といった「規則性」です。番号の繰り返しに順序があり、しだいにその順序性に気がつくようになります。

 

ただ、その結果は驚くべきものでした。ほとんどの人は、順序性に気がつく前に反応時間が短縮しているのです。さらに調べると、キーを押す指の筋肉に指令を送る脳の領域が活発に活動しているのがわかりました。

 

脳には、順序性に気が付く脳の活動領域があります。しかしながら、この部分より先に「指の筋肉を動かす指令」を送るよう部位が活発に活動していることがわかりました。さらに、反応時間が速くなっているので、数字がきたら指で押す動きが反射的になっていることがわかりました。

 

つまり、体は脳で考えるより先に運動を学習します。さらに、何回も行うことで、その動作のスピードが速くなります。これは、「体で覚える」という記憶の仕方と似ています。頭で理解するのではなく、動きを見て理屈抜きで覚えるのです。
 
 動作を究めたいのであれば、反復練習を繰り返す
しかし、反復動作には短所もあります。それは時間がかかることです。

 

例えば、野球で素振りをする反復練習と、スイングに必要な筋肉をマシンで鍛える方法を比べてみましょう。おそらくマシンの方が速く、効率的に筋肉をつけることができます。その結果、スイングスピードは速くなります。手っ取り早く技術を身につけるには、マシンの方が向いています。

 

しかし、ピッチャーが投げたときの体の反応時間や心に自然とスイッチが入る神経系の反応はマシンで鍛えることができません。時間はかかりますが、反復練習を積み重ねると、実践に向いた能力が身につきます。

 

これは、弓道の世界でも同様です。弓を引く動作はラグビーやボートのようなスポーツに比べると必要な筋肉は少ないです。そのためラグビー選手やボート選手は慣れればすぐに弓を引くことができます。

 

しかし、矢を放って的に当てることは難しいです。なぜなら、「矢を放つ運動」は反復練習をしないとうまくならないからです。

 

弓はある程度筋肉があれば、素人でもできます。しかし、そこから先の矢を放つ動作は神経反応が支配する部分が多いです。そのため反復練習で体に覚えこませる必要があります。

 

近年は、スポーツ研究が進んで「効率」や「質」を重視する傾向があります。しかし、それだけでは不十分です。よりスポーツの動作を向上させるために反復練習を取り入れてみましょう。すると、今よりも動作のスピードや反応が変わります。

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