イチロー選手のフォームから学ぶ、背中の筋肉の使い方

「安打製造機」で有名なイチロー選手は、2004年に262本のシーズン最多安打記録を打ち立てました。当時の世界記録は257本であり、84年ぶりの快挙でした。

 

この記録が出た理由は「フォーム」にあると考えられています。この年のフォームを分析すると、物理的、心理的にも理に適った要素が含まれています。

 

ここでは、イチロー選手のフォームからバッティングに良い影響をもたらす筋肉の働かせ方と姿勢の作り方について解説していきます。

 

 2004年のフォームは最も一番背中の筋肉が働く姿勢
イチロー選手は、年々バッティングフォームが変化しています。その中で、世界記録を打ち立てたときのフォームは興味深いものでした。

 

この年のフォームは他の年のフォームと比べると背中が丸まっているように見えます。足から首にかけて釣竿のような曲線を描いた姿勢であるといえます。このゆったりとした姿勢により、胸周りが落ちます。

 

 

この姿勢を取ることで、背筋がリラックスします。これにより、バッティングで重要である動きや姿勢を身につけることができます。

 

背中の筋肉をリラックスさせることで、股関節の回転はスムーズになります。これにより、スイングにぶれやムラがなくなります。常に安定したスイングで、コンスタントに結果を残すことができます。

 

さらに、上体が崩れにくくなります。この年のバッティングの姿勢は優れていて、あらゆるコースや変化球に対応していました。全ての変化球にタイミングを合わされ、最終的にスローボールを投げてしまった投手もいました。

 

人はみな、目でボールを追おうとします。しかし、自分の意図しない変化球がきてしまうと目が緊張し、首から背中にかけての筋肉のつながりが悪くなってしまいます。その結果、思い通りに体を動かせなくなったり、上体が崩れたりしてしまいます。

 

イチロー選手は、どのようなボールにも臆することなくバットに当てていました。本人にストライクゾーンの意識はなく、「あえて難しいボールを打ちに行く」と話していました。どれだけ外側の球や低めの球がきても、打つときの上体の姿勢が崩れないことが印象的でした。

 

この姿勢を、「宮本武蔵の剣を持ったときと同じ姿勢」と分析している専門家がいました。この姿勢により全身の力みがなくなり、思い通りのパフォーマンスができると考察されています。

 

さらに、この姿勢を取ることでバッティング動作だけではなく、心理的にもよい効果があります。それは、「胸を落とすことで心が落ち着く」ことです。

 

背筋が固くなると、体の中にある内臓器官は適切な場所からずれてしまいます。そうすると、血液の流れや活動が低下し、不快感や体調の崩れが出てきます。

 

イチロー選手が世界記録を打ち立てたときのインタビューで次のように話していました。

 

「この年はなぜか「今日は1安打でいいや・・」と思う日がなく、4安打打つイメージが頭に思い浮かべることが多かった」

 

 背筋と一緒にリラックスさせてほしい「腕」
背筋をリラックスさせることは、物理的にも心理的にもよい効果をもたらします。そのため、背筋の力みをなくした姿勢を身につけることが大切です。ここでは、背筋をリラックスさせるために必要な体の使い方を紹介していきます。

 

上半身の力みをとるため、首を伸ばして肩を落としましょう。首が伸びることで背中が楽になり、肩を落とすことで胸周りが落ちます。呼吸をして息を吐く量が多くなったら、上半身の力みがとれている証拠です。

 

また、バッティングのときに「背筋以外にリラックスさせてほしい部分」があります。それは「腕」です。タイミングを取ることを意識しすぎたりヘッドの位置をあまり気にかけたりしないよう、バットを持つ腕に対して余計な意識をなくしましょう。

 

腕を振るとき、ピッチャーは肩をグルグル回して緊張をほぐします。相撲の世界では、力士が自分の顔をパチパチ叩いたり体の各部をたたいたりして腕をリラックスさせます。これと同じくらいにバッティングで腕をリラックスさせます。

 

腕を使ってタイミングをとったりバットをひきつけたりするため、意識しやすい部位といえます。ただ、腕の考えに集中させると、腰の回転や上体の姿勢に影響が出てきます。そこで腕の意識をとり、相手のボールをゆったり待つ気持ちになってバッティングするように心がけましょう。

 

首を伸ばして肩を落とすことで、背筋をリラックスさせた姿勢をとる必要があります。そうすることで、バッティングの動きや心の持ち方が今より改善されることでしょう。

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