全てのスポーツ技術を伸ばす「首を伸ばした姿勢」

すべてのスポーツの運動技術向上の根幹となる「首を伸ばす」姿勢

世の中には、スポーツの実力を向上させるトレーニング法がいくつか公開されています。「体幹トレーニング」「肩甲骨・股関節にまつわる運動理論」「スポーツ科学」など、スポーツ動作を改善するあらゆる方法が紹介されています。

 

ただ、こうしたトレーニング以外にも、「首」と「肩」への意識を変えるだけで、スポーツ中の動きの質が向上します。その結果、ケガの予防やパフォーマンス向上につながります。

 

今回は、弓道の世界で実践されている「首」と「肩」の使い方を解説していきます。

 

「首」の後ろを上に伸ばすと背中周りをリラックスできる

弓道の世界で、上半身の姿勢を整える「胴づくり」という動作があります。この動作によって弓を引くための姿勢を整え、矢を放つ準備を行います。

 

胴づくりでは、「首」を使います。具体的には、首の後ろ側の筋肉を伸ばします。少し顎を引いて、首を伸ばすと、背中周りの筋肉が伸びやすくなります。

 

日常生活で私たちは、首の筋肉が硬くなっています。首の筋肉が凝ると、重さ約4kg程度の頭部を支えることができません。そのため、背骨を曲げて肩や背中と使って、頭部を支えようとします。つまり、首の筋肉が固まると、「背中」や「肩」の筋肉も一緒に凝りが出てしまいます。

 

全身の無駄な力みをとって、頭の頂点を10p上に吊り上げるように伸ばしてみましょう。頭から胸周りの力が抜ける感じがあれば、正しく伸ばされています。

 

 

首を上に伸ばし続けると、背中周りの緊張がほぐされます。このように、首の後ろ側の筋肉を使えば、背中や肩周りの筋肉も動きやすい体になります。普段座っているときにこれをおこなえば、姿勢の改善につながります。

 

?「両肩」の耳元から垂直に落として、胸の緊張を解く

次に胴づくりでは、「両肩」を使います。私たちは普段の生活で両肩が力んでいるので、両肩の力を取るようにしましょう。

 

具体的には、耳元から垂直方向に両肩を落とすようにします。息を吐いて力を抜くように両肩の力を抜きましょう。

 

これによって、胸周りの力みが取れます。肩が落ちると胸周りの筋肉の張りが少なくなるため、上半身の前側の筋肉をリラックスさせることができます。

 

 

武道の世界では、精神が動揺しないことを「腹が据わっている」と呼びます。これは、両肩と胸が落ちて、おなか周りに体重がしっかり乗った姿勢のことを指します。

 

?「首」と「肩」をつかって、リラックスした姿勢を身につける

弓道では、先に述べた「首と肩による筋肉の使い方」を同時に行います。スポーツの動作でも同様に、この二つの使い方を組み合わせましょう。

 

首の後ろを伸ばして肩を落とし、耳から肩にかけて首の筋肉を縦に伸ばすようにしましょう。すると、上半身の前部、後部ともに無駄な緊張がなくなります。

 

 

この姿勢をとることであらゆるスポーツの動きをスムーズに行えます。

首を伸ばすことで、姿勢のぶれがなくなる

それでは、この姿勢を構築すると、どのような効果が得られるでしょうか。具体的には、普段の「姿勢」がぶれにくくなります。

 

試しに以下の実験を行います。何も考えないまま、両腕を下におろして立ちます。そして、誰かに腕をつかんで下に引っ張ってもらいます。すると、何も意識しない状態では、腕を引っ張られると肩が下に落ちてしまいます。

 

しかし、首を伸ばし、両肩を落とすようにします。少し具体的にお話すると、「顎(あご)を引くようにして、首の後ろを伸ばす」ようにします。この姿勢では、腕を下に引っ張られても、肩関節が下に落ちなくなります。これは、上半身の姿勢がぶれにくくなったことがわかります。

 

 

そのあとに、引き気味にした顎を前に出すようにしてください。すると、先ほどに比べて、腕を引かれると肩関節がぶれやすくなります。

 

このように、頭部の位置を正すことで、姿勢全体がぶれにくくなるのがわかります。

 

首を伸ばすと、呼吸しやすくなる

次に、首を伸ばすことで、呼吸しやすくなるのがわかります。

 

実際に行うとわかりますが、首を伸ばさない姿勢と伸ばした姿勢では、後者のほうが息を吐くことができます。

 

首には「気道」など、呼吸動作にかかわる器官が存在します。顎が前に出た姿勢を取ると、これらの器官が圧迫されてしまうため、体内へ空気を取り入れづらくなります。逆に、首を伸ばすと、首関節にかかった圧迫がなくなるため、酸素を体内に取り込みやすくなります。

 

 

あるいは、首の位置が高くなると、胸郭の位置が自然と高くなります。すると、胸郭の下にある横隔膜が上下運動しやすくなるため、空気が取り込みやすくなります。

 

体内に酸素を取り込む量が増えれば、体力の向上や精神状態の安定など、良い効果を得られます。

 

首を伸ばすとパワーが伝わりやすくなる

実際に、運動動作に生かすとなると、「首を伸ばすとパワーが伝わりやすくなる」のを体感できます。

 

例として、簡単な押し動作があります。一対一になり、片腕を前に出して、相手を押します。すると、顎を引き、首の後ろを伸ばした姿勢の方が、相手に押す力を伝えやすくなります。受ける相手も、押されている感覚を体感しやすくなります。

 

 

首を伸ばすと、歩き・走り動作がしやすくなる

さらに、首の後ろを伸ばすことで、重心移動も行いやすくなります。これは、ランニングなど、走る動作に応用することができます。

 

試しに以下の実験を行います。「首を伸ばさないで歩く」「首を伸ばして歩く」の二通りの歩き方を試してみてください。すると、後者のほうが、着地したときの足裏にかかる衝撃が少なくなるのがわかります。

 

 

スポーツの書籍を見ると、「骨盤を前傾させる」「股関節から脚を動かす」など、身体の重心を少ない力で動かす方が紹介されています。こうした考え方も大切ですが、実際の運動となると、「動いている最中に上半身が崩れない」ように考えるのも重要です。もし、骨盤を前傾させたり、股関節を不用意に動かしたりしてしまうと、腰から上の背骨の湾曲が大きくなるため、上半身の安定性が少なくなります。

 

そこで、首の後ろを伸ばすようにします。動いている最中に最も関節がぶれやすいのが、「首」です。もし、「骨盤を前傾させる」「股関節を不用意に動かす」といったことを行うと、真っすぐに伸びた頸椎がねじれてしまいます。すると、上半身の姿勢がぶれやすくなるため、実際の運動動作で多くの無駄が出ます。「着地動作で足裏の衝撃が強くなる」「肩や胸部がぶれやすくなって余計な力みが出てしまう」といった問題が生じます。

 

一方、首を後ろに伸ばし続けていると、動いている最中に余計な姿勢のぶれが抑えられるため、歩き動作が行いやすくなります。さらに、首の後ろが伸びていると骨盤がほぼ垂直に保たれたまま動作が行えます。すると、着地する際に足裏の土踏まず付近(足裏の中心部)に衝撃がかかるため、負荷が分散されるのです。

 

以上のように、首の後ろを伸ばすことで、4つの効用を得ることができます。

 

姿勢がぶれにくくなる

 

・呼吸動作がしやすくなる

 

・相手に力を伝えやすくなる

 

・着地衝撃が少なくなり、重心移動しやすくなる

 

この姿勢は、全スポーツの技術向上につながります。実際に、「首」「肩」への意識を変えたことで、他分野のスポーツ選手から実力が伸びた報告を多くいただいています。つまり、首、肩の使い方は、これからのスポーツで取り入れるべき重要な姿勢ともいえます。

 

首を伸ばしたことで約1時間マラソンのタイムを縮める

例えば、私の場合、この姿勢を構築して「フルマラソン」の記録が劇的に伸びました。大学一年生のころ、初めて走ったフルマラソンは4時間54分でした。その後、何回かトライしてみましたが、タイムは4時間後半から5時間付近の間で、縮まりませんでした。

 

そこで、あらゆるトレーニング方法を試してみることにしました。例えば、「筋膜リリース」「初動負荷トレーニング」「古武術の動き」などです。これらのトレーニングを行ってみた結果、マラソンのタイムは3時間54分まで縮めることができました。

 

その後、社会人に入り、初動負荷トレーニングのジムに通えなくなり、同じ時期に「古来の弓道理論を学べる稽古場」に出会いました。弓の引き方から身体の理屈まで様々な考え方を転換し、弓を引く稽古に没頭しました。当然ですが、筋トレ・初動負荷理論にまつわるストレッチなど、これまで行ってきた内容は行わなくなりました。

 

そのような状態で、ある日、福島県で主催するフルマラソンに出場し、走りました。時計をつけるのを忘れてしまい、自分の走行ペースも把握できないまま、走りました。この日は、いつも後半で悩まされるふくらはぎと太もも裏側の痛みに悩まされることもなく、無事完走しました。完走したときは、自分の中で「4時間を切ったくらいのタイムだろう」と思いました。

 

そうして、タイムを見たら愕然としました。なんと、結果は3時間16分であり、今までのフルマラソンのタイムを38分も更新していたのです。弓道の稽古で、常に注意していた「首を伸ばす」ことをマラソンで意識した結果、マラソンのタイムが大幅に更新されたのです。

 

これが、私が「弓道の姿勢や体使いがスポーツに応用できる」と確信した最初の出来事でした。それからは、弓道の書籍をひたすら読み漁り、それらの内容をスポーツに応用させていく作業に没頭しました。

 

現在では、この姿勢や身体の使い方をトライアスロン、サッカー、バスケ、テニス、バレェ、水泳、自転車、野球などのスポーツ選手に伝えました。すると、実践していただいた方のほとんどが「実力が伸びた」「スタミナが変わった」「スポーツ中の怪我がなくなった」と報告をいただきました。

 

首を伸ばし、両肩を落とした姿勢を意識して、スポーツをするのです。これを行うだけでも、スポーツ中に無駄な力みが抜け、呼吸動作が行いやすくなり、様々な動作を楽に行えるようになるため、パフォーマンス向上につながります。

 

スポーツへの応用例
では、首の後ろを伸ばした結果、スポーツに応用できる一例を紹介していきます。

 

1、ランニングで首の後ろを伸ばすと「持久力」が向上する


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