体幹トレーニングを運動動作で活かす「武道での丹田の姿勢」

スポーツにおいて実力向上や体作りのために、体幹トレーニングを行うことは大切です。ただ、トレーニングだけ行ってもパフォーマンスは向上しません。実力アップにつなげるためには、鍛えた体幹をスポーツでの運動動作で使えるようにしなければいけません。

 

体幹部の筋肉を使うために、効果的な説明として、武道の世界で活用される「丹田(たんでん)」があります。丹田とは、ヘソの下8センチほどに位置し、体の内側にある空間を指します。丹田を意識した体の使い方を理解すると、今までよりも体幹部を活用した動きを実現させることができます。

 

ここでは、体幹部の動きを改善するために、武道の丹田と意識するための姿勢を解説していきます。

 

 丹田を意識した姿勢により、体幹部を最大限に活用する
武道における「丹田」は下っ腹を指します。武道の世界で丹田が重要視されている理由は、「丹田に気が集まる姿勢」は「最も人がリラックスした筋肉の状態」であるからです。

 

人が最も筋肉が緩んだ姿勢は寝ている時です。寝ている姿勢は体幹部のどこにも負荷や緊張がかかっていません。この状態を立った姿勢でも実現できれば、あらゆる動作を楽に速く行うことができます。

 

立った姿勢で体全体がリラックスできているかどうかは丹田(=おなか周り)の意識でわかります。人は体の筋肉の一部分が緊張していると、その部位に重力がかかります。脚が緊張していると脚に、首に負担がかかった姿勢では首に重力がかかります。すると、意識が脚や首にいきます。

 

足裏から頭にかけて一本の軸がしっかり整った姿勢では、負荷が均一にかかります。その姿勢のときに、物理的に重力がお腹周りに集中すると説明されています。言い換えれば、下っ腹に意識が集中し、丹田に気が集中した姿勢になります。

 

このように、丹田は体幹部を最大限に活用するリラックス状態を理解するのに大切です。この姿勢を実践できれば、運動技術が向上します。

 

普通の人がパンチや突きをすると、相手はその人の気配がわかってしまうため、払ったりガードしたりすることができます。しかし、空手の達人が丹田を意識した姿勢で突きを繰り出すと、気配を読めずにガードすることができません。

 

他にも、私は学生時代から、弓道を続けています。「丹田」を意識し、上半身の姿勢を整えて弓を引くと、何も意識していない時に比べて、前や後ろに姿勢が屈みにくくなります。体全体の筋肉を最大限活用できるため、抵抗力の強い弓であっても楽に引くことができます。

 

武道を行っていないスポーツ選手は、体幹トレーニングと実践練習を積み重ねるうちに、丹田の有効性に気づきます。400mハードルの世界選手権で2度の銅メダルを獲得した為末大選手は体幹トレーニングでスクワットをしたときに、下っ腹に力が入る感触が出てきたと話しています。

 

お腹周りががっちり固まる心もちになってから、力の出方がとてもスムーズになり、手足が勝手に動く感触を得るようになったそうです。そこから、体幹トレーニングのような止まった姿勢で筋肉を固めることよりも、丹田を活用することの重要性に気が付きました。

 

一流選手の多くが、丹田部の重要性を話しています。今よりも体幹部を活用するためには、下っ腹をどう利用するのかを考えることが大切です。
 
 丹田に意識が集中した姿勢の作り方
そのため、鍛えた体幹部を活用するには、丹田に気が集まる姿勢を取る必要があります。そこで、実際に手足の動きが格段に向上する姿勢作りを紹介します。

 

ここで大切になってくるのは、背中にある「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」と、わき腹周りにある「腹横筋(ふくおうきん)」です。この二つの筋肉は立った姿勢で最も緊張しやすい筋肉です。腹横筋は体の中の骨や関節とつながっていないため、最も重力の影響を受けやすいです。この二つの筋肉を緩めることができれば、丹田に意識が集中する姿勢が完成します。

 

そこで、自分の頭を10p上に持ち上げる気持ちで首を伸ばしましょう。そして、両肩を耳元へ垂直に落としましょう。すると、胸周りが楽になる感じになるのがわかります。首の後ろ側が伸びると、脊柱起立筋肉の緊張がほぐれ、肩を落とすことで胸周りの筋肉が楽になります。

 

この姿勢により、上半身の前・後ろ側の力みがなくなります。次に息を吐くことで腹横筋を緩めます。息を吐くときに、お腹周りをふくらますイメージでゆっくりと吐きましょう。これにより、腹横筋がゆるみ、上半身の重みが自然と腰の中央に集中します。

 

試しに首を伸ばして肩を落とした姿勢を取りながら、歩いてみましょう。今までより楽に歩くことができます。蹴る動作も軸足で踏ん張ると、力が入ってしまいます。しかし、この姿勢を取って腸腰筋までが脚とイメージして、「足首」「膝」「骨盤」を同時に速く出す意識で動かすと、楽に速く蹴ることができます。

 

武道の達人が相手に気づかれない突きを与えたり、小さな体で大きな相手を押し倒したりできるのは全てこの姿勢をとっているからです。

 

人の筋肉の100あるうちの半分の筋肉が緊張していれば、50の力しか出すことができません。一方、100あるうちの10個だけ緊張していなければ、小さな体格でも瞬間的に90の力を出すことができます。体幹トレーニングで筋肉を強化し、丹田に集中させた姿勢でスポーツの動作を行えば、鍛えた筋肉を最大限活用することができます。

 

スポーツにおいて、体幹部の筋肉を活かすためには、丹田を意識した姿勢を取る必要があります。そのために首を伸ばし、肩を落とした姿勢をとり、全身の筋肉の緊張を解きましょう。体幹部の筋肉を最大限働かせることができ、運動パフォーマンスが向上します。

お客様から喜びの声をいただいています

 

無料メールマガジン:理論スポーツ

 

 

 

 

Facebookもチェック

 

セミナー開催:理論スポーツ

関連ページ

スポーツで必要な正しい筋力トレーニングの基礎知識を理解する
運動スポーツにおいて筋トレが怪我につながる肩と胸の筋肉
スポーツで怪我しない体を身につける裏側の筋肉とは
弓の動作から、スポーツで怪我に強くなる脊柱起立筋と内転筋を学ぶ
筋トレで腰痛なく腹筋を効率的に鍛える方法
スポーツで筋肉を最大限活用するコツは力を抜くことにある
スポーツでパフォーマンス向上につながる前鋸筋とは
効率良く走るために必要な「腸腰筋」を鍛えるランニング法
太もも前側の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えすぎると、走る動作が遅くなる
効率良く投げる動作を行う肩甲骨周りの筋肉を鍛える方法
座った姿勢で可能な走る動作で大切な3つの筋肉のトレーニング法
スポーツの運動動作を改善する股関節周りの筋肉トレーニング法
工場の現場作業から、股関節周りの筋肉を効率よく鍛える方法を理解する
筋トレで重要なトレーニング効果を倍増させる3つのコツ
筋肉の2つの収縮方法から最適なトレーニングを理解する
スポーツの実力向上に必要な体幹トレーニング:お腹周り
スポーツの実力向上に必要な体幹トレーニング:背中周り
スポーツの実力向上に必要な体幹トレーニング:わき腹周り
スポーツの実力向上に必要な体幹トレーニング:走力強化、腰痛対策
スポーツの実力向上のため、体幹トレーニングの本質を理解する
スポーツで体幹部の動きが変わる「ブラジリアン柔術」を理解する
体幹部の動きを変えるブラジリアン柔術の基礎運動:お腹・背中周り
体幹部の動きを変えるブラジリアン柔術の基礎運動:受け身動作

サイトマップ
HOME メルマガ登録 プロフィール お問い合わせ お客様の声 セミナー開催