スポーツで「負けないで」と応援すれば心理的負担が高まる

試合で高い結果を残すため、メンタルを鍛えることは大切です。周りの状況によって、メンタルは変化します。そのため、気持ちが変わる原因や元を理解しておく必要があります。

 

その中には、「言葉」も含まれています。言葉によって、人はリラックスや緊張をします。そのため、指導者や他の人は、かける言葉によって選手に与える影響を理解しておく必要があります。

 

ここでは、試合中にかけるとフォーマンスにつながる言葉と、その対策方法について解説していきます。

 

 「負けないで」は選手にプレッシャーを生み出す
多くの人は選手を応援するときに「負けないで」という言葉を使います。この言葉をかけられると、選手は「勝たなくてはいけない」とヤル気が出て、いっそう試合に対する集中力が高まります。

 

ただ、このような集中の仕方では、試合中においてミスを招く恐れがあります。なぜなら、人は「負けないで」と言われると、他人を意識してしまうからです。

 

「負けたくない」という闘争心は、感情を高ぶらせるために必要かもしれません。しかし、スポーツにおいて、もっとも自分の実力を出す方法は、自分のできることを最大限やりきることです。

 

もし、試合中に相手のことを考えてしまうと、自分のできることや普段行っている意識の持ち方が薄れる可能性があります。そのため、他人を意識することは、高いパフォーマンスを出すために不必要な思考といえます。

 

 フィギュアスケートで浅田真央選手がキムヨナ選手に敗れた訳
バンクーバーオリンピックのフィギュアスケートで注目されていた選手に浅田真央選手とキムヨナ選手が挙げられます。二人はインタビューで「金メダルを取れますか」の質問に、以下のように答えました。

 

浅田真央:「負けたくない。金メダルを取りたいです」
キムヨナ:「自分が金メダルにふさわしい人間であれば、取れるのではないでしょうか」

 

浅田真央選手は相手に負けたくないという闘争心を露わにしていました。マスコミや周りの人たちがライバル関係に注目していたのが影響した面もあるでしょう。しかし、キムヨナ選手は気負いも感じられず、ライバル達のことも見ていません。ただ、自分の演技を行えば大丈夫であると、感情を高ぶらせずにいるように見えました。

 

二人とも、金メダルに対する思いは素晴らしいものです。しかし、メンタルの面から考えると、キムヨナ選手の言葉は本来のパフォーマンスを出す効果をもたらします。

 

フィギュアスケートは演技の点数を他の人と向き合わせますが、基本的には個人競技です。つまり、勝つためには自分の演技で高得点を出す必要があります。どれだけ自分の最高の演技ができるかが勝敗を分けます。このような状況では、自分のやるべきことに集中するのが最も良いパフォーマンスをだせます。

 

そのため、周りの人たちは「負けないで」「あの人にだけは勝たないと」というような言葉をかけないようにしましょう。選手が危険なメンタルな状況に気づけないまま、ライバルに戦いを挑むことになります。

 

むしろ、「やるべきことを全部やって、その結果を受け入れよう」とベストを出し尽くすように促すことが良いでしょう。すると、選手も「そうだよね」と思い直すことができ、目の前のことに集中できます。「今のあなたでいればそれでいい」と声をかけられると、余計な意識を持ちこまずに試合に挑むことができます。

 

これは、弓道の世界でも同様のことがいえます。弓道では段を取るための審査があります。普段、稽古しているときに比べて、審査では「的の距離」「立ち位置」「狙い目」「使用している弓」が全く同じです。しかし、審査員にみられると、「的中させなくてはいけないと」心が無意識に思ってしまいます。

 

そのような時に、自分のやることに徹するように意識します。このときに意識する部分は、「上半身の姿勢を整える」ことです。なぜなら、自分でできることの中で、この意識が最も重要だからです。無駄な意識を取り除くことで、練習と同じ的中率を出すことができます。

 

試合で「負けないで」と声をかけると、実力を下げる恐れがあります。そのため、応援するときは「やるべきことをやろう」「そのままでいいんだよ」と目の前のことに集中できる言葉をかけてあげましょう。周りのプレッシャーに刺激されることなく、普段通りのパフォーマンスをすることができます。

//

お客様から喜びの声をいただいています

 

無料メールマガジン:理論スポーツ

 

 

 

 

弓道健康法セミナー案内

書籍案内

関連ページ

スポーツで一流レベルの結果を残すたった1つの方法
運動技術以外にメンタルを重視する意味と姿勢の関係を理解する
スポーツで目標達成するためのモチベーションを維持するには
部活など、運動・スポーツでモチベーションを高める目標の立て方
厳しい練習で挫折しそうになったときの思考の整理法
選手のメンタルが強化される指導者の言葉のかけ方
イチロー選手の200本安打から行動力を維持する手法を学ぶ
嫌な感情やトラウマの本質を探れば試合中のプレッシャーに負けない
試合中に「ねばり強いメンタル」を身につける方法
スポーツで緊張する理由と、本番で不安感を取り除く方法
スポーツで一流の結果を残す練習・トレーニングの考え方
運動技術を向上させる「人との付き合い方・接し方」
スポーツで「自己肯定感」の強化し、メンタルと運動技術を上げる
試合でのミスを防ぎ、集中力を高める「ルーティン」の効果
スポーツで「期待してるよ」と応援すれば、パフォーマンス低下を招く
リーダーがチーム内の雰囲気を改善し、高いパフォーマンスを引き出すためには
ブランド力を向上させ、チーム全体のレベルと雰囲気を上げるには
スポーツで二流から一流レベルに上がるための違いと経験を学ぶ
フロー状態によって運動技術を向上させ、一流選手を育てる監督術
練習ノートに目標と改善点を書けば、スポーツの上達度が向上する
スポーツで一流レベルになる大切な思考を練習ノートから学ぶ
優秀なアスリートになるための「感情脳」と「扁桃核」の仕組みを理解する
プラス思考を練習に取り入れて、一流アスリートのスポーツでの脳の使い方を身につける
最大限のパフォーマンスを発揮するために、脳の状態を切り替える三つの道具
スポーツ上達に必要な「アフォーダンス理論」を運動動作へ応用する
弓道の弓の握り方から、スポーツ技術を向上させる道具の使い方を理解する
弓道の「雪の目付」より、試合中の集中力を強化する

サイトマップ
HOME メルマガ登録 プロフィール お問い合わせ お客様の声 セミナー開催