筋肉の柔軟性が高すぎると怪我をする

スポーツで怪我を予防するためにはストレッチが大切です。筋肉や関節が硬すぎると、肩こりや腰痛を招いたり運動パフォーマンスの低下につながったりします。

 

そのため、多くの人は「とにかく体を柔らかくしたい」と考えます。そうした考えを持っている人は180度近く開脚をしている人を見ると、「あそこまで筋肉が柔軟であれば大きな故障はないだろう」と思ってしまいます。

 

しかし、筋肉は柔軟性が高すぎると、かえって怪我をしやすくなる恐れがあります。ここでは、筋肉が柔らかすぎると怪我につながる理由と解決策について解説していきます。

 

 スポーツにおける筋肉は「安定性」が重要
人の筋肉の大半は骨と骨をまたいでくっついています。この状態で筋肉を伸ばしたり縮ませたりすることで関節が可動して体が動きます。これを専門的には「可動性(モビリティ)」といいます。

 

一方、関節がブラブラと自由に動きすぎると体自体を支えることができないため、関節を保持する機能も必要です。これを専門的には「安定性(スタビリティ)」といいます。

 

関節と筋肉は「可動性」と「安定性」の相反する機能を同時に発揮します。この二つの機能のバランスが崩れると怪我につながります。

 

例えば、体が固い人は関節の動きが悪いため、可動性が弱いといえます。すると、体の一部分に負担のかかる動きをしてしまうため、怪我をしてしまいます。

 

一方、前後左右に開脚できる人は関節の可動性については抜群です。しかし、安定性をかなり犠牲にしています。このような状態でランニングをするとカラダに及ぶダメージが大きくなってしまいます。その結果、怪我をしてしまいます。

 

つまり、関節の安定性を残すために、筋肉はやや硬めにしておくことが重要です。

 

バレエのように止まった姿勢で行う運動であれば、可動域は大きい方が良いです。しかし、通常のスポーツのように激しく体を動かす運動では、少し体が硬いことは別に悪いことではありません。

 

 スポーツで必要な筋肉の柔軟性をチェックする
体の柔軟性が高すぎて関節がゆるくなって、安定性が低下したり靭帯(じんたい)や腱(けん)などの組織にダメージが及んだりする場合があります。

 

そこで、「柔軟性」をチェックするテストで自身の筋肉の固さ客観的に見てみましょう。このテストで「柔軟性が高い」と判断された筋肉に関してはストレッチを控えます。その代わり、筋肉の安定性を高めるために、筋肉量を増やす筋トレをした方が良いです。

 

一方、柔軟性が低いと判定された部位は重点的にストレッチを行うようにしましょう。なお、「適度な柔軟性」と判断された部位はあまりストレッチをする必要はありません。

 

・肩関節
@片手に布製のメジャーの端を持つ、あるいは鏡を使って自分の背中が見えるようにする
A腕を頭上から背中にまわす。反対の手を下から上に上げて、なるべく両指先を近づけるようにする
B左右を変えて同様に行う
×柔軟性が高い:両指先を完全に握れてしまう
〇適度な柔軟性:両指先の距離が10p程度、もしくは軽く触れあう
×柔軟性が低い:両指先の距離が10p以上離れている

 

 

 

 

・ハムストリング(太ももの裏側)
@あおむけに寝る
A片脚を伸ばし、両手を太ももの後ろで組む
B床との距離を測る。一人で行う場合は動画を撮影し、画面上で角度で測ると良い
×柔軟性が高い:股関節の角度が90度より大きく上回る
〇適度な柔軟性:股関節の角度が90°
×柔軟性が低い:股関節の角度が90度に届かない

 

 

 

 

・大腿四頭筋(太もも前側)、腸腰筋(太もものつけ根)
@床でうつぶせになる
A片足を同じ側の手でつかみ、お尻に引き寄せる。両脚とも痛みなく容易にできる人は両膝を曲げたまま、上体を後ろに反らす
×柔軟性が高い:あおむけに寝て両膝を曲げた状態で、両膝が床から浮くことなく、体を容易に後ろに倒すことができる
〇適度な柔軟性:かかととお尻の距離が10p
×柔軟性が低い:片足と同じ側の手でつかめない(かかととお尻の距離が5〜10p以上でも腰に痛みを感じる)

 

 

 

・足関節
@肩幅で真っ直ぐ立ってしゃがむ
A両手でひざをかかえる
×柔軟性が高い:両ひざを抱え、かかとを床につけたままで、体重を前側にかけなくてもかかとを床から浮くことなく、楽にその姿勢が維持できる
〇適度な柔軟性:両ひざを抱えて、かかとに床をつけたままでしゃがめる
×柔軟性が低い:しゃがんだときにかかとが床から浮く

 

 

 

これら四つのテストから、柔軟性が低い部分をチェックしてみましょう。その部分を重点的に行うことで、適度に可動性を引きだすことができるため、怪我の予防につながります。

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