正しいストレッチをするため、「筋肉」の性質を理解する

スポーツにおいて、怪我を予防するためにはストレッチをすることは重要です。ストレッチは筋トレのように負荷がかからないため、誰でも簡単に行うことができます。

 

そのため、多くの人は正しいストレッチの方法を学びません。ただ、負荷はかかりませんが、やり方を間違えると、ストレッチを行っても体が柔軟にならなかったり怪我をしてしまったりします。

 

そこで、適切なストレッチをするために「筋肉」の性質を理解すれば、間違ったストレッチをしないで済みます。ここでは、ストレッチに必要な筋肉の使い方を紹介していきます。

 

 筋肉を温めてからストレッチを行う
ストレッチの目的は筋肉を柔らかくすることです。柔軟性を高めるためには、筋肉を伸ばしやすい状態にしておく必要があります。

 

筋肉を柔らかくさせるための準備は「温める」ことです。そのため、ストレッチをするときはウォーキングや風呂などで体を温める必要があります。

 

ここで、よくやる間違ったストレッチは運動前にストレッチをすることです。運動前の筋肉は温まっていないため、固くなっています。この状態でストレッチをすると、筋肉の繊維が切れてしまい、かえって柔軟性がなくなってしまいます。そのため、注意が必要です。

 

あるいは、真夏の暑い日で体が熱くても、体中の筋肉まで温まっているとは限りません。気温の高い日でも、15分程度のウォーキングで筋肉を固さをほぐす必要があります。
 
 筋肉を長い時間伸ばす
ストレッチをするとき、筋肉が伸びるための必要な時間があります。それは、20秒〜30秒程度です。

 

例えば、前屈するとします。伸ばしてみると筋肉が伸びる感じが出てきます。そこで、2〜3回深く呼吸をしてみましょう。すると、車のサイドブレーキがはずれたかのように、一気に筋肉が緩む感覚を得られます。

 

伸ばす時間を10秒以上かけると、筋肉をさらに緩ませることができます。最も筋肉が伸びず、逆に縮んでしまうのは5〜10秒程度です。

 

多くの人は5秒程度しか筋肉を伸ばしません。この方法であらゆる筋肉をストレッチすると、さらに体が固くなってしまいます。

 

その理由は、筋肉はいきなり伸びると脳が「縮め」と合図を送るからです。筋肉はいきなり伸ばされると、切れてしまう恐れがあります。この緊急事態に対応するために、脳は伸びた筋肉が縮むように指令を送ります。これを「伸長反射」といいます。

 

この縮む指令が送られる時間は約6秒程度といわれています。この間にストレッチをやめてしまうと、筋肉が反動でさらに縮んでしまい、結果的に固くなってしまいます。

 

逆に、この指令が送られ続けてもずっと筋肉を伸ばしていると、今度は「もう、抵抗するのをやめて力を抜きなさい」と脳が指令を送ります。すると、筋肉の緊張度が低下して伸び始めます。ここまで伸ばし続けて、初めて本当のストレッチができます。

 

これらの一連の反応によってストレッチ効果を得るには同じ姿勢を約20〜30秒程度キープする必要があります。同じ姿勢をずっと保つのは気分が飽きてしまうため、行うときは呼吸を意識して行いましょう。深く息を吸って吐いてを3〜4回繰り返すと抵抗がすっと消える感覚を得ることができます。

 

日によって筋肉が伸ばされる適切な時間は変わります。慣れてきたら、20秒という時間にこだわる必要はありません。

 

なお、30秒を超えると、より筋肉が伸びることはありません。それ以上伸ばし続けることは時間の無駄になってしまうので、どれだけ長くても30秒で止めるようにしましょう。

 

 筋肉をあらゆる方向に伸ばす
ストレッチをするとき、直線的に1方向だけ伸ばす人がいます。これでも筋肉は伸ばされますが、向きを変えながら複数行うことで、より一層ストレッチ効果を高めることができます。

 

筋肉は「筋繊維」という繊維状の細胞が束になって構成されており、直線に伸びている筋肉は少ないからです。

 

1方向だけに伸ばしていると、柔軟性があまり高まらないことがあります。特に「胸」「背中」「太もも」「お尻」といった大きな筋肉は、一方向にストレッチしても十分に効果がでないことがあります。

 

対策としては、「手首」「足首」「背中」の向きを変えることで、あらゆる方向に筋肉を伸ばすことです。

 

例えば、腕のストレッチで一方の腕を伸ばしているときに、伸ばしている腕の掌(てのひら)を前や後ろに向けるだけで違う方向に伸ばすことができます。足のふくらはぎのストレッチをするときに足首の向きを真っ直ぐだけでなく、外や内側に向けると3方向に筋肉を伸ばすことができます。

 

背中の筋肉をストレッチするときは、腰をひねることで、伸ばす方向を変えることができます。このように、「手首」「足首」「背中」を少し動かせば、あらゆる方向に筋肉を伸ばすことができます。

 

この要領で部位ごとに最低3方向に伸ばすことができれば、十分なストレッチ効果を得ることができます。

 

以上をまとめると、ストレッチは「体を温めてから」「20〜30秒程度」「あらゆる方向に伸ばす」ことで、しっかり筋肉の柔軟性を高めることができます。

 

正しいストレッチを行うときは、高いストレッチ効果を得るために必要な「筋肉」の使い方をしましょう。効果的に筋肉に柔軟性を持たせることができます。

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