股関節のたたみ動作から、運動動作を飛躍的に向上させる

最近のスポーツの理論書を見ると、「股関節」という言葉をよく見かけます。股関節を運動にうまく取り入れることは、下肢の運動動作が関わるスポーツでプラスに働きます。

 

例えば、陸上の世界では股関節の動きを理解して練習に取り入れれば、今より脚運びがよくなります。サッカーやバスケの世界では、股関節の動きを柔軟にすれば、切り替えしの動作や複雑な動きを実現させることができます。

 

ただ、股関節の動きを高めるトレーニング手法はスポーツの世界では少ないです。そこで、今回は武道の世界から、股関節の動きを良くし、スポーツ動作を向上させる方法を解説していきます。
 
 弓道の坐り動作によって、股関節をたたむ動きを理解する
今より股関節の動きをよくする方法として、弓道の坐り動作があります。この動きは股関節の動きを高めるあらゆる要素がつまっているため、運動動作を高めるのにちょうど良いです。

 

弓道では射場に入る前にある決まった立ち方、すわり方があります。今回はその中の「坐った状態からの体の方向転換の仕方」を学び、股関節をたたむ動作を理解します。

 

まず、つま先を立たせた正座の姿勢を取ります。男性、女性ともに両膝の間に拳一個程度の間隔を開けると次の動作に入りやすくなります。

 

次に両方の膝頭を締めながら、腰を上げます。これを「腰を伸ばす」といいます。膝頭を締めることにより、運動中の姿勢の保持に重要な内ももの筋肉(内転筋)が張り、意識することで鍛えることができます。

 

 

 

次に、体を90度に方向転換します。ただ、体を90度に向けるのではなく、うまく股関節を使って体全体を瞬時に向けます。ここでは、体を右に90度方向を変えたい場合を想定します。

 

膝を締めながら、左膝頭を右の膝頭に対してL字になるように、前に重ねましょう。すると、体全体がくるっと方向が変わります。動作に慣れない人は、まずは左膝頭を右の膝頭の前に置くことのみ意識して動作を行いましょう。

 

 

 

この動作を行うと、左の膝から内ももにかけてのラインが右の太ももの付け根(Vライン)にちょうどとたたまれるように動きます。

 

 

 

具体的には、両太ももの付け根にあるVラインに手を当てます。次に片方の太ももの内側で反対側の手をはさむこむように脚を動かします。このため、「股関節をたたむ動作」とここでは呼びます。

 

この動作を何回も行うと、走っているときに股関節をたたんで動けるようになります。左右反対にこの動作を行います。

 

 

 

すると、脚が前に運びやすくなるため、かなり走りやすくなります。サッカーやバスケの世界では足を踏ん張らずに方向転換がしやすくなるため、プレーの幅や技術が高まります。

 

この股関節のたたみ動作は他の運動動作にも応用できます。野球の世界では、打つときに軸足と前足が存在します。

 

そして、軸足にタメを作り、前足にタメを送るように腰を動かしてボールを打ちます。ここで、軸足をたたむように動かすと力を前に伝えやすくなり、バットを振りやすくできます。

 

なお、股関節のたたみ動作は最終的には、両足がハの字に向けて行えるようになれば、合格といえます。最初は慣れない動作で膝を動かすのが精いっぱいだと思いますが、動き方が身についてくるとだんだんキレイに行えるようになってきます。

 

 

 

股関節の動きには「伸展」「収縮」「内旋」「外旋」の4種類があります。「伸展」「収縮」は走って着地動作を行えば自然と行えます。

 

この中で一番スポーツの世界で使われないのが「内旋」動作です。内旋動作は日常生活であまり使われないため、スポーツの動きで取り入れられることが少ないです。最初は違和感がありますが、だんだん使用するうちに動きが変わり、やがて自然なものとなってきます。

 

股関節の動きを変えることは、運動技術の向上に重要です。弓道の世界での坐った状態での方向転換により、股関節のたたむ動作を習得しましょう。股関節の動かし方が変わり、脚運びや脚を使った運動技術の向上につながります。

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