弓道の「自然の離れ」より、普段の練習で大切な心構えを理解する

スポーツを上達するためには、練習を継続的におこなうことが大切です。しかし、毎日練習を続けていると、気持ちが続かなかったり飽きてきたりします。

 

ここでは、弓道の考え方から普段の練習における大切な心構えを解説していきます。
 
 弓道の世界で初心者が熟練者よりも優れた動き
スポーツの世界で初心者と経験者を比べると、経験者の方が実力は上です。それは、練習を積むことであらゆる動きができるからです。

 

しかし、弓道の世界では必ずしもそうとはいえません。実は弓道では初心者が熟練者よりも優れている能力があります。

 

それは、「素直に引いて離す」ことです。

 

一見当たり前のように思うかもしれません。しかし、「素直に引いて離す」という動作は、経験を重ねるにつれてできなくなっていきます。動きに慣れてしまい、自分でよけいな工夫をしたくなるからです。すると、弓を引く動作に変な癖がついてしまい、的に当たらなくなってしまいます。

 

弓を素直に引いて離すことを「自然の離れ」と呼びます。初心者は何も考えずに動作を行うので、何十年稽古してやっとできる体の使い方を最初からやってのけます。熟練者でさえ、初心者の射を見て頭の下がる思いになることがあります。そのため、「弓は神器」とも呼ばれています。

 

スポーツの世界では、素直に行うのではなく、機械的に考えて動きを身につけることが練習であると考えます。人の裏をかいたりいやがるような動きをしたりして、相手より優位に立つ人が「うまい人」です。経験によってあらゆる動きが増えていくので、スポーツは知識や経験が身につくほど上達していきます。

 

一方、弓道の世界は、考えながら動きをしようとすると的に当たらなくなってしまいます。初心に戻り、心身に偏りのない動きをすることが大切です。そのため、知識や経験を身につけてもうまくなるとは限りません。

 

「素直な気持ち」は動きだけではなく、精神的にも重要な意味を持ちます。全ての技術には限界があります。いくら動きを高める技術があっても、全員が一流プレーヤーのように向上するわけではありません。

 

人よりさらに上のレベルや向上心を高めるためには、技を超えた考え方や心構えを身につける必要があります。
 
 普段の練習で力や気迫をこめる
弓道以外のスポーツにおいても、素直に動作を行うことは大切です。多くの人はスポーツでテクニックを取得しようと努力します。しかし、テクニックを身につけることは、動作が機械的になることを意味します。さらに上のレベルに行くために違う動作をするとき、覚えたことが邪魔になってしまいます。

 

運動技術を向上させるには、普段の練習でテクニックや固定観念に固められた動きをリセットする必要があります。そこで、いつも以上に力や気迫をこめ、思い切って動作を行うことが重要です。

 

例えば、野球であれば上体がぶれてもよいので、体全体で一生懸命スイングをします。サッカーであれば、あれこれ考えるのをやめて、フェイントを使わずドリブルをしてみます。つまり、自分が初めてスポーツをしていたときのように無我夢中でスポーツに打ち込むのです。

 

いつも以上に力を込めたり、勢いで動かしたりすると、普段より非効率な体の動かし方になるかもしれません。しかし、そうすれば、忘れかけていた「考えずに動く感覚」が養われます。

 

効率ばかり求めていると、動きの中に新たな発見が出てくることはありません。一見、無駄に思える動作の中に、新たな動きや考え方のキッカケがあります。

 

明治以降、弓道の哲学的観念を世界に広めた弓道家「阿波研造(あわけんぞう)」は子供たちに弓を引く動作を教えるときに「拳にいっぱい力を込めて引いてごらん」とアドバイスしました。

 

普通の高段者であれば、初心者に弓を引くときは「なるべく拳には力をこめないようにしましょう」と指導します。このように言うと、初めての人は「拳の力を抜くためにはどうしたらよいか」と考えて弓を引くようになります。

 

そうして、動作の前に「考える」習慣が身についてしまい、素直に引いて矢を放つ「自然の離れ」から遠ざかった体の使い方が染みついてしまいます。

 

スポーツ動作のさらなる技術向上のために、普段の練習でいつも以上に力や気迫をこめて動作をしてみましょう。初心に戻った動きや感覚を体験することで、技術を高めるキッカケをつかむことができます。

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